2世帯住宅は子育てに優しい。

最近、改めて親世代との同居が注目されています。DEWKS（デュークス）という言葉をご存知ですか。DEWKSとは、「Double Employed With Kids」の略で、子どものいる共働き夫婦を指す言葉です。1960年代までは大家族が主流でした。というのも家族全体で農業や家業を切り盛りする必要があったからです。しかし、1990年代後半からは共働きの家庭が専業主婦の家庭数を上回りました。つまり、現代では共働きの家庭は、一般的な家庭の形だとも言えます。このDEWKSが増えているなかで2世帯住宅での子育てが注目されています。今回は、二世帯住宅を子育ての視点でご紹介します。

目次.

• 2世帯住宅を考える理由
• 2世帯住宅での子育てのメリット
• 2世帯住宅を実現させるために

以上の３つのポイントでまとめましたので、参考になれば幸いです。

2世帯住宅を考える理由

2世帯住宅を考える理由として、特徴的なのは「親のため」というより、「自分のため」に同居を選択する子世帯が増えているということです。具体的には、「親の老後のことを考えたから」という世帯が減少しているのに対し、「家事・育児などで協力しあえるから」という理由で2世帯住宅を考える世帯が増加しているようです。また減少傾向にあった「親子孫の三世代で楽しく暮らしたいから」という理由も近年増加傾向にあります。さらに、対象を共働きで子どもが小学生以下に絞った調査でも、同居理由は「親と同居すれば家事・育児を手伝ってもらえるから」がトップ。ほかにも「自分たちで家を購入するより経済的に楽」「日常的にも経済的に助かる」などお金面でのメリットを挙げる世帯が多いのが現状です。やはり、このようなことから二世帯住宅を考える理由としては、「親のため」というよりも「自分のため」という傾向があるようです。

2世帯住宅での子育てのメリット

子世帯へのメリット

それはずばり、親世帯が大きな力となり協力してくれることです。「仕事・育児・家事で忙しいがすべての生活をちゃんと行いたい」と奮闘する共働きの子育て夫婦ほど、親の協力を必要としています。子どもの成長を考えたとき、見守る大人が多い環境、自分の両親に自分の子どもを見守ってもらえる2世帯住宅は安心感があるのです。多くの子育て世帯で共働きの場合「緊急時の対応など、子育てや家事に対する心配を減らしたい」と考えているのではないでしょうか。そして、限られた時間の中で、いかに「子どもとの時間」を捻出するかを気にしており、「もう少し時間にゆとりがもてたらいいな」と感じて暮らしている方が多いのが現状です。子育て世帯にとって時間の確保やゆとりを生み出す方法として、親世帯との同居はメリットとして感じる方が多いのでしょう。また、一緒に子育て以外の二世帯住宅のメリットとしては、離れて暮らす近居に比べてエネルギー消費量をかなり削減でき、省エネにつながります。さらに、留守中に荷物を受け取ってもらうことができたり、食事の面倒をお願いできるなど、たくさんのメリットを挙げることができます。さらに、「ひとつ屋根の下で二世帯同居」するほうが、お互いの協力度が高くなることが分かっています。

こどもへのメリット

2世帯住宅は子育てをする世代だけでなく、こども自身にもさまざまなメリットをもたらすと考えられます。例えば、昔からの流儀や慣わしを教えてもらえますし、人とのお付き合いの仕方、きちんとした挨拶や礼儀を身につけることができます。また、日中、子ども一人で家にいることも少なくなるので、防犯面でも安心できます。また、日常的に行われる「話し相手になる」「荷物を運ぶ」「様子を見に行く」といったことは、介護の際に求められる要件でもあります。介護時に求められるこれらのことを日常的にこども自身が習慣としてこなしている2世帯住宅では、祖父母に介護が必要になった場合でも、自然と孫が活躍しているケースが多くあります。祖父母と孫が共に暮らすことは、長期的視点でみても、孫によい影響を及ぼしているといえるのではないかと思われます。

親世帯へのメリット

2世帯住宅は、子世帯だけでなく、親世帯にもよい影響があります。たとえば、年齢の離れた孫と接することで、日々程よい刺激を受け、孫の世話をすることで毎日の生活に適度な張り合いが生まれます。さらに、親世帯からすれば、2世帯が一緒に暮らすことは、何物にも替え難い大きなメリットでしょう。また、最近の傾向では2世帯住宅に住んでいても保育園利用率は高いので、親世帯が孫の面倒を見るのは一定時間のみです。そのため、面倒をみていると感じていません。子世帯と同居することで安心感が得られますし、子育てにも自然と参加することができます。安心感と子育てから得る満足感は二世帯住宅の親世帯への大きなメリットだと考えられるでしょう。

2世帯住宅を実現させるために

これまで、2世帯住宅における子育てのメリットをご紹介してきました。しかし、2世帯住宅にすることで、これまでの生活習慣を大きく変えたり、我慢したりするのでは、よい住まいだとはいえません。このことは、親世帯・子世帯どちらにも言えることで、それぞれが快適に暮らすことが前提です。そのうえで、協力しながら二世帯で住むことによって、より楽しく暮らせるのが2世帯住宅です。そのために互いの世帯に気兼ねや気苦労のないようにうまく生活スペースを分けたり、あるいは逆にコミュニケーションがスムーズにとれるように空間をつなげるなど、プランニングのヒントや、快適な2世帯住宅を実現させるための設計手法は豊富にあります。2世帯住宅の設計経験が豊かなプロに依頼すれば、きっと家族みんなが笑顔になれる住まいができ上がると思います。もちろん実際には、親・子の二世代、さらに孫まで考えると三世代がひとつ屋根の下に暮らすのですから、さまざまな心配もあるかと思います。大切なのは、その心配事を全員で話し合い、課題を洗い出したうえで解決法を探ることです。

いかがだったでしょうか、あなたもぜひ子育ての視点で2世帯住宅につてい考えてみてはいかがでしょうか。

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