【2026年4月最新】TOTO・LIXIL・クリナップ ユニットバス受注停止はなぜ?ナフサ不足の原因と今後の見通し」

2026年4月現在、中東情勢の緊迫化に伴い、リフォーム・建築業界ではかつてない規模の資材供給危機が発生しています。お客様から「お風呂のリフォームは今できるの?」「塗装工事の材料は大丈夫?」といったお問い合わせを多くいただいております。
本記事では本日4月20日時点の最新情報を、各メーカーの公式発表および信頼できる報道に基づいてお伝えいたします。
1. なぜ資材が足りないのか? ―「ナフサショック」の全体像
今回の供給危機の根本原因は、2026年2月末に発生したホルムズ海峡の事実上の通航制限です。
ホルムズ海峡は世界の石油輸出の約3割(日量約2,000万バレル)が通過する要衝です(出典:内閣官房資料 2026年3月24日。なお、計測の定義により「世界の石油消費の約2割」等とする資料もあります)。日本の原油は中東依存度が約9割と突出しており、ホルムズ海峡経由の原油輸入に大きく依存しています。ナフサ(石油化学の基礎原料)については、調達先は中東が約4割・国産が約4割・その他地域が約2割という構成ですが(出典:経済産業省資料)、原油供給の不安定化が国内精製にも波及し、ナフサ全体の供給環境が急速に悪化しています。
封鎖の影響でナフサのアジアスポット価格は急騰し、2月27日時点で1トンあたり約588ドルだった取引価格は、4月1日には約917ドルと約1.6倍に上昇しました(出典:ライブドアニュース 2026年4月3日)。国内の石油化学大手は3月上旬からエチレンの減産を続けており、4〜6月期の国産ナフサ価格は1キロリットル当たり11万円を超えるとの見通しも出ています(出典:Yahoo!ファイナンス 2026年4月16日)。
ナフサはプラスチック、塗料、接着剤、断熱材、シーリング材など、住宅に使われるあらゆる石油化学製品の出発原料です。ナフサの供給が滞れば、リフォームの現場に必要な資材が製造できなくなります。現在まさにその事態が現実のものとなっています。
4月8日には米イラン間で2週間の一時停戦の枠組みが示され、原油・ナフサ先物価格が一時的に下落しました。しかし、4月11〜12日の協議は最終合意に至らず、4月12日にはトランプ大統領がイラン港湾に対する海上封鎖措置を表明、翌13日に封鎖が開始されました(出典:JETRO続報、日本経済新聞等)。先行きは依然として不透明な状況が続いています。
2. 住宅設備メーカー各社の最新対応状況(4月20日時点)
◆ TOTO ― 本日4/20より段階的に受注再開予定
TOTOは2026年4月10日付で、中東情勢の緊迫化を受けた製品供給への影響について最初の公式発表を行いました。その後4月13日付の第2報で、システムバス・ユニットバスの新規受注を一時的に見合わせると公表しました。
TOTO公式サイトの発表によれば、受注見合わせの理由は「一部の部材不足により受注システム上で注文が適切に行えないため」とされています。同社は「通常通り生産・出荷は継続しており、すでに納期回答済みの注文は予定通り出荷する」と明記しています。なお、トイレ・ウォシュレットについては出荷上限が設定されたとの報道がありますが、これはTOTO公式の第2信・第3信では確認できず、業界報道ベースの情報です(出典:リフォーム補助金ナビ、リショップナビ等)。TOTO公式で確認できるのは、システムバス・ユニットバスの新規受注見合わせと、その他の商品は通常通り受注しているという点に限られます。
4月15日の第3報では、4月20日(本日)から段階的に新規受注の受付けを再開すべく準備を進めていると発表されました。ただし、不足部材を使う商品は注文を受け付けても「納期未定」のままとなるケースがあり、完全な正常化ではありません。
TOTO公式発表(第3信・4月15日付)より要旨:
「現在、通常通り生産・出荷は継続しております。すでに納期回答を行っているご注文につきましては、予定通り出荷させていただきます。(中略)4月20日(月)から段階的に新規受注のお受付けを再開すべく、サプライヤー始め関係各社にも順次説明をしながら早急に準備を進めております」
◆ LIXIL ― 供給条件の調整の可能性を発表、ユニットバスは納期未定
LIXILは2026年4月10日付で、公式ニュースルームにて「中東情勢の緊迫化に伴う製品供給への影響について」を発表しました。石油由来原材料(樹脂等)の供給制限やコスト上昇に加え、アルミニウム等の素材や物流費・生産コストの増加が避けられないとして、今後供給条件(価格・納期・数量等)を調整する可能性があるとしています。
その後、4月14日には、ユニットバスについて同日受注分から納期を「未定」とする措置をとりました(出典:日本経済新聞 2026年4月14日)。TOTOの受注見合わせを受けて通常を大幅に上回る注文が殺到したことも重なっています。
LIXILは受注停止ではなく、受注自体は受け付けているものの出荷の確約ができない状態です。今後の想定として、(1)原材料・資材不足による生産・出荷・受注の調整や制限、(2)製品価格・部品価格・物流費の改定を行う可能性に言及しています。対象製品・実施時期・改定幅の詳細は未発表です。
◆ パナソニック ハウジングソリューションズ ― 納期回答を停止中
パナソニック ハウジングソリューションズ(PHS)は4月14日、バス・トイレ関連全製品について、同日以降の受注分の納期を「未定」とすると顧客に通知しました。対象にはアラウーノシリーズを含むバス・トイレ関連商品全般が含まれます。
PHSは「現時点では価格変更や受注中止の予定はない」と明確にしつつも、「今後の受注量の状況によって、納期の回答ができなくなる可能性もある」と通知しています。受注は停止しておらず、材料の確保状況を踏まえて順次納期を回答する体制です(出典:J-CASTニュース 2026年4月14日、リフォーム補助金ナビ等)。
なお、PHS社は2026年3月末にYKKグループ入りしており(YKKが設立した中間持株会社がPHS株式の80%を取得)、パナソニックホールディングスからは独立した経営体制となっています。ただし、引き続きパナソニックブランドおよびPHSの社名は使用されます(出典:YKK AP・パナソニックHD共同発表 2025年11月17日、J-CASTニュース 2026年4月14日)。
◆ タカラスタンダード ― 現時点では受注を継続中
タカラスタンダードは4月13日付で、取引先に向けて「中東情勢緊迫化に伴う弊社製品の供給への影響について」を通知したと業界紙で報じられています(出典:リフォーム補助金ナビ、リフォーム産業新聞等)。なお、本日時点で同社公式ウェブサイトのトピックス・重要なお知らせページには当該文書の掲載は確認できていません。
同社のユニットバスはホーロー(金属にガラスを高温で焼き付けた素材)を壁パネルに採用しているため、ナフサ由来のフィルム接着剤への依存が他社より少ない構造です。そのため、現時点では受注を継続しています。
ただし、「事態の長期化によっては、一部商品の納期・数量・価格等に影響が発生する可能性がある」としており、他社からの乗り換え需要が集中することで納期が延びるリスクは避けられません。
◆ クリナップ ― 4月15日よりシステムバスルームの新規注文を停止
クリナップは2026年4月14日付で「中東情勢の緊迫化による弊社製品供給への影響について(第2報)」を公式に発表し、システムバスルーム全般の新規注文受付を4月15日から停止しました。第1報では供給継続に努めるとしていましたが、「いよいよ原材料の調達が困難となり」停止に至った形です。再開時期は現時点で未定とされています。既注文分についても、納期や仕様の変更を依頼する可能性があるとしています(出典:クリナップ公式発表、Bloomberg 2026年4月14日、産経ニュース 2026年4月15日)。
各社対応の早見表(4月20日時点)
メーカー ユニットバス トイレ関連 TOTO 本日より段階的に受注再開(一部納期未定) 出荷上限ありとの報道※ LIXIL 受注可、ただし納期「未定」 供給条件調整の可能性 パナソニックHS 受注可、ただし4/14以降の受注分は納期未定 同左 タカラスタンダード 受注継続中(今後影響の可能性あり) ― クリナップ 4/15より新規注文停止(公式発表) ― ※TOTOトイレ・ウォシュレットの出荷上限は業界報道ベースの情報であり、TOTO公式発表(第2信・第3信)では確認できていません。
3. 塗料・シンナー ― 外壁塗装・屋根工事にも深刻な影響
住宅設備だけでなく、塗料業界も前例のない供給危機に直面しています。
日本ペイントは、3月19日発注分からシンナー製品全般を75%値上げしました(出典:日本経済新聞 2026年3月25日、Bloomberg 2026年3月25日)。さらに4月17日〜25日の期間、下塗り材の一時受注停止が実施されているとの情報があります(出典:テイガク 2026年4月18日更新。ただし、日本ペイント公式の一次発表は確認できていないため、販売店・施工店経由の情報として扱います)。
エスケー化研はシンナーについて80%の値上げを実施したと複数の塗装業者が報告しています(出典:塗装業者ブログ 2026年3月24日付、テイガク 2026年4月18日更新。いずれも販売店・施工店経由の情報であり、エスケー化研公式の一次発表は確認できていません)。溶剤系塗料の入手が特に厳しく、シンナー不足を背景に工事が滞る現場が増えています。油性塗料の代替として水性塗料を求める動きが強まった結果、水性塗料の供給も逼迫し始めています。
関西ペイントはシンナー製品を50%以上値上げ(出典:日本経済新聞)。大手通販サイトでは関西ペイント製シンナーの在庫切れが発生し、次回出荷予定が「2026年6月下旬」と案内されるなど、数ヶ月規模の供給遅延が生じています。ホームセンター店頭でも「一人1缶まで」「入荷時期未定」の状況が報告されています(出典:暮らしの設備ガイド等)。
経済産業省は4月14日、赤澤経産相の閣議後会見で、塗装用シンナーの流通に目詰まりが発生しているとして、メーカーに生産を抑えないよう要請したと明らかにしました。原料の供給については「全体量は確実に確保できている」との認識を示しています(出典:日本経済新聞 2026年4月14日付)。
4. 屋根材・断熱材 ― 値上げと供給制限の波が拡大
塗料以外にも、リフォームに使われる多くの資材が影響を受けています。以下の情報は主にテイガク(屋根修理専門メディア)の集計に基づくものであり、各メーカー公式の一次発表ではなく、販売店・施工店経由で確認された案内です。
ルーフィング(屋根防水シート) は2026年5月1日出荷分から約40〜50%の大幅値上げが通知されているとのことです。アスファルトルーフィングの主要メーカーは4月9日に受注を一時停止しており、必要な材料を確保できず着工できない現場が増えています。
断熱材は5月から約40%の値上げが、わずか1ヶ月前に突然通知されたと報じられています。業界でも前例のない水準とされ、入手困難な状況も続いています。
屋根副資材(ケイミュー タフモック・シート・シーリング等)は4月15日受注分より受注制限が開始。樹脂製の下地材については入荷2〜3ヶ月待ちの状況です。
(以上、出典:テイガク 2026年4月18日更新)
5. 政府の対応と今後の見通し
資源エネルギー庁の公式発表によれば、日本には約8ヶ月分の石油備蓄があります(出典:資源エネルギー庁公式ページ。なお、浜銀総研レポート等では2026年1月末時点で248日分と算出されています)。中東以外からの原油の代替調達について、4月に前年実績比2割以上、5月には過半の調達にめどがついたとしています。特に米国からは5月に前年比約4倍まで調達が拡大する見込みです(出典:資源エネルギー庁公式ページ)。
4月17日には赤澤経済産業相が閣議後会見で、塗料用シンナーやTOTOを含む一部住宅設備について、サプライチェーンの目詰まり箇所を特定し、供給見通しのめどが立ったと説明しました(出典:Bloomberg 2026年4月17日、NHKニュース等)。潤滑油の事例では、前年同月比での供給継続を元売事業者に要請するなど、流通の偏在と目詰まりの個別解消に取り組んでいます。
ただし、ホルムズ海峡の通航制限の解除は中東情勢次第であり、長期化を前提に備えることが現実的です。
6. リフォームをご検討中のお客様へ ― 今やるべき3つのこと
① すでに契約・発注済みの方 → 今日中に納期確認を
施工会社に連絡し、「4月13日以前に納期回答がされているか」を確認してください。各メーカーとも、すでに納期が確定している注文は予定通りの出荷を継続しています。
② これからリフォームをお考えの方 → 浴室以外の工事を先に進める選択肢も
ユニットバスの供給が不安定な今、窓・断熱・外壁など影響の少ない工事を先に進めることで、リフォーム補助金(みらいエコ住宅2026事業等)の予算枠を確保する戦略が有効です。各事業とも予算上限に達し次第その期の受付が終了するため、待っている間に予算が切れるリスクがあります。
③ 外壁塗装をご検討中の方 → 水性塗料への切り替えも視野に
現在不足しているのは主に溶剤系塗料を希釈するためのシンナーです。水で薄める水性塗料であれば、溶剤系ほどの供給パニックには至っていません。現在の水性塗料は性能が大幅に向上しており、確実に施工できる選択肢として検討する価値があります。
7. 2026年リフォーム補助金は活用できます
供給不安がある中でも、住宅省エネ2026キャンペーンは予定通り実施されています。
- みらいエコ住宅2026事業:省エネ性能の高い住宅の新築やリフォーム等を支援(全世帯対象)
- 先進的窓リノベ2026事業:高断熱窓への改修を支援
- 給湯省エネ2026事業:エコキュート等の高効率給湯器に補助
いずれも予算上限に達し次第その期の受付が終了しますので、早めのご相談・お申し込みをおすすめいたします。
まとめ
2026年4月20日現在、リフォーム業界は「ナフサショック」と呼ばれる前例のない資材供給危機の渦中にあります。TOTOが本日から段階的に受注を再開しましたが、LIXIL・パナソニックHSは依然として納期未定、クリナップはシステムバスルームの新規注文停止が続いています。塗料・断熱材・屋根材など幅広い資材でも値上げと供給制限が広がっています。
政府はサプライチェーンの目詰まり解消と代替調達の拡大に動いていますが、中東情勢が根本的に改善しない限り、正常化には時間がかかる見通しです。
当社としても、最新の資材供給状況を常に確認しながら、お客様にとって最善のご提案ができるよう努めてまいります。リフォームの時期や進め方についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
状況は日々変化しています。最新情報が入り次第、本記事を随時更新いたします。
出典・参考情報一覧
本記事は以下の各社公式発表および報道を参考に作成しています。各社公式サイトを直接確認のうえ、事実関係のファクトチェックを実施しています(確認日:2026年4月20日)。
<住宅設備メーカー公式発表>
- TOTO株式会社
- 「中東地域の情勢悪化に伴う製品供給への影響について」(2026年4月10日付・第1報)
- 「【第2信】中東地域の情勢悪化に伴う製品供給への影響について」(2026年4月13日付)
- 「【第3信】中東地域の情勢悪化に伴う製品供給への影響について」(2026年4月15日付)
TOTO公式サイト - 株式会社LIXIL
- 「中東情勢の緊迫化に伴う製品供給への影響について」(2026年4月10日付・公式ニュースルーム)
- タカラスタンダード株式会社
- 「中東情勢緊迫化に伴う弊社製品の供給への影響について」(2026年4月13日付・取引先向け通知)
※リフォーム補助金ナビ・リフォーム産業新聞等で報道。同社公式ウェブサイトのトピックス・重要なお知らせページには4月20日時点で当該文書の掲載は未確認。
タカラスタンダード公式サイト - クリナップ株式会社
- 「システムバスルームの新規ご注文受付について」(2026年4月14日付・公式発表)
システムバスルーム全般の新規注文受付停止(4月15日〜)、再開時期未定
クリナップ公式サイト
<報道・業界メディア>
- 日本経済新聞
- 「TOTO、ユニットバスの受注を4月20日から再開へ」(2026年4月16日)
- 「LIXILやパナソニック系、ユニットバスなど『納期未定』 ナフサ調達難」(2026年4月14日)
- 「日本ペイント、シンナー製品で75%値上げ ホルムズ封鎖受け」(2026年3月25日)
- 「関西ペイント、シンナー製品50%以上値上げ 中東情勢受け」
- 「塗装用シンナー調達難、メーカーに生産抑制避けるよう要請 経産省」(2026年4月14日付)
- 「ナフサ高の影響、身近な商品に」(2026年4月15日)
- Bloomberg
- 「TOTO株が上昇、ユニットバスなどの新規受注を20日から段階的に再開」(2026年4月16日)
- 「赤沢経産相、住宅設備メーカーやTOTO含む供給網の目詰まり解消にめど」(2026年4月17日)
- 「日本ペイントHD、建築用シンナー製品を75%値上げ」(2026年3月25日)
- 時事通信
- 「TOTO、ユニットバスの新規受注停止 中東情勢悪化で原料調達難」(2026年4月13日)
- J-CASTニュース
- 「パナソニックハウジングソリューションズもナフサ調達不安定化影響 バス・トイレ商品の納期『未定』」(2026年4月14日)
- リフォーム補助金ナビ
- 「TOTO 4/20受注再開を公式発表|LIXIL・Panasonicは納期未定継続」(2026年4月17日更新)
- リショップナビ
- 「TOTOが新規の受注停止→再開へ|リフォーム・新築への影響について解説」
- テイガク(屋根修理専門)
- 「建材資材の値上げと受注停止の影響」(2026年4月18日更新)
- 暮らしの設備ガイド
- 「ユニットバスが受注停止になった原因とは」(2026年4月15日付)
- 新建ハウジング
- 「LIXIL、中東情勢緊迫化で製品供給条件調整の可能性」(2026年4月10日)
<政府機関>
- 資源エネルギー庁
- 「中東情勢を踏まえた石油及び関連製品等に関する対応」
- 経済産業省
- 「赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要」(2026年4月3日)
- 「塗装用シンナー調達難、メーカーに生産抑制避けるよう要請」(2026年4月14日)
- 「中東情勢を踏まえた燃料油・石油製品の安定供給確保」(2026年3月31日 内閣官房資料)
最終更新:2026年4月20日(月)
※本記事の内容は執筆時点での各社公式発表および報道に基づいています。一部の情報は業界報道ベース(二次情報)であり、各メーカー公式の一次発表では確認できていないものが含まれます(該当箇所は本文中に明記)。状況は日々変化しますので、最新の詳細については各メーカー公式サイトおよび施工会社にご確認ください。





